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サイトをSEOフレンドリーにするための作業手順

 

サイトをSEOフレンドリーにするための作業手順

先日のSEOmozの記事の中から三つ目のグラフを紹介します。
原文:http://www.seomoz.org/blog/4-essential-seo-infographics
日本語訳:http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/09/10/6473

 

これを見て思ったことは、この作業手順は「自社でSEOを行う」か「SEOをコンサルティングを含めてウェブ集客全般にアウトソースする」ことを前提に書かれています。ある意味、中長期的なSEOです。

ちなみに、上記の作業手順を一通り行うとどのくらいの日数が必要かわかりますか?
作業スキルの高いウェブ担当者チームがフル稼働で動いたとしても、一回りで半年はかかると思います。また、このスキームは一回りで終わりではなく何回転も継続して行う必要があります。

なぜ、これが「自社でSEOを行う」か「SEOをコンサルティングを含めてウェブ集客全般にアウトソースする」ことを前提に書かれているかというと、SEO会社は一般的にクライアントが求めるキーワードでの上位表示を最優先するため、「キーワードありき」の作業を行うのが一般的です。しかし、上記の作業スキームは、キーワードは最後で、まず最初に「コンテンツありき」から始まっています。
どちらが正しいかと聞かれたら、私は迷わず「キーワードありき」と答えます。理由は、ウェブサイトで今よりも利益を上げるためには、今アクセスしてきているユーザーに合わせて色々な調整を行うのでは不十分で、今獲得できていないユーザーをこれから囲い込むための最適化がまずは必要だからです。

アクセス解析を実施しているお客様からよく次のようなご質問を受けます。

「アクセス解析を見ると、○○というキーワードでのコンバージョンが高いので、○○でSEOをしたいと考えているのですが?どうですか?」

確かに最もなご意見と思います。
しかし、このようなケースで効果がでるものは実はあまり多くありません。その理由は2つあります。

一つ目の理由は、既存アクセス内の限られたユーザーだけで判断しているという点です。
アクセス解析を見て、○○キーワードのコンバージョンが高いという時点ですでにそのキーワードは上位表示されています。もし、そのキーワードが1位よりも低い順位であればSEOすることもいいかもしれませんが、それよりも「まだ上位表示できていない」ニーズの高いキーワードを見つけてSEOするほうが将来的な生産性は上がります。

二つ目の理由は、○○キーワードが実際にコンバージョンに大きく貢献したキーワードとは限らないという点です。
アクセス解析機能にはコンバージョンを追跡して、そのユーザーがいつ、どこから、どんなキーワードで訪問してきたか分かる機能が一般的に付いています。しかし、この機能はあくまでもコンバージョンに至った場合のみのデータしか取れません。
例をあげて説明します。

日本コンサルティング株式会社は、企業向けの経営コンサルティングをメインに行っている会社です。この会社のウェブサイトにはコンサルティングに興味がある企業向けに「賢いキャッシュフロー設計」というマニュアル本を無料で配布するための資料請求フォームを設置しています。日本コンサルティング株式会社のウェブ担当者はなんとか資料請求数をアップさせたいと考えています。
アクセス解析をしたところ、資料請求に至った流入キーワードで一番多いのが「日本コンサルティング株式会社 資料請求」ということが分かったため、このキーワードでSEO強化を行いました。
SEOの結果、比較的簡単なキーワードでも合ったため一週間で1位になりましたが、その後1ヶ月を経過しても資料請求数は全く変わりませんでした。せっかくコンバージョンの高いキーワードでSEOを行い、見事1位になったのになぜこのようなことが起きるのでしょうか?

資料請求数が向上しなかったのには理由があります。

日本コンサルティング株式会社のウェブ担当者は、コンバージョンキーワードからSEOするキーワードを選び出しましたが、ここに大きな落とし穴があります。
一般的に検索ユーザーがコンバージョンアクションを起すにはある法則があります。
ユーザーは、初めて訪れたウェブサイトでいきなり資料請求したり商品を購入したりはせず、必ず他の同業社のウェブサイト内容と比較検討した上で最終的にゴールアクションを起します。つまり、資料請求に至った人のほとんどは以前に何回かウェブサイトを訪れているリピーターということになります。
ここで、日本コンサルティング株式会社の資料請求したユーザーの行動履歴を見てみます。

1.「コンサルティング 財務」で検索して日本コンサルティング株式会社のウェブサイトを見つけた。
2.何社かの同業サイトを見て、再度「コンサルティング 財務」検索から日本コンサルティング株式会社のウェブサイトに訪れてサイトの内容をじっくりと見た。
3.数日後に会社名を覚えていたため「日本コンサルティング株式会社 資料請求」で検索して日本コンサルティング株式会社のウェブサイトから資料請求を行った。

一度ウェブサイトを訪れたモチベーションの高いユーザーが2回目以降に訪れる際に使用するキーワードの確率は会社名かサイト名が多くなります。そのため、コンバージョンキーワードを見ると多くの場合、会社名かサイト名で来ているユーザーとなります。しかし、本来コンバージョンに至ったユーザーが最初に日本コンサルティング株式会社を見つけた時に使用した「コンサルティング 財務」というキーワードが最も重要で、かつSEO強化しなければならないキーワードということがお分かりいただけると思います。
つまり、コンバージョンキーワードを分析するときには、最終的に使用したキーワードだけでなく、アプローチしてきた際に使用したキーワードや中間で使用したキーワードなども同時に分析する必要があるのです。

上に掲載している図とはかけ離れた内容になってしまいましたので、次回(Vol.115)は上図の解説をしたいと思います。