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サイトをSEOフレンドリーにするための作業手順その2

 

サイトをSEOフレンドリーにするための作業手順その2

先日のSEOmozの記事の中から三つ目のグラフを紹介します。
原文:http://www.seomoz.org/blog/4-essential-seo-infographics
日本語訳:http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/09/10/6473

 

前回、上図は「自社でSEOを行う」か「SEOをコンサルティングを含めてウェブ集客全般にアウトソースする」ことを前提に書かれている中長期的なSEOということを書きました。つまり、この方法は自社でSEOを行っている方にはお勧めする方法です。※とんでもなく手間がかかることですが、ウェブサイトを使って確実に成功するためには必要なプロセスです。

#1の「ユーザーが求め、共有したいと感じるコンテンツ」は、ユーザー満足だけでなくバックリンク強化というSEO面でも効果的です。
ユーザーに共有したいと思わせるコンテンツであれば、ユーザーは自身のブログやサイトの中でそのウェブページを紹介します。紹介することで自然なリンク(ナチュラルリンク)が増え、バックリンクが強化されます。また、いいコンテンツであればユーザーの紹介が別の紹介を生むため、ソーシャルメディア最適化(SMO)も同時にできてしまう可能性もあります。

#2の「サイトの使い勝手を改善し、質の高いデザインを導入する」は、SEOに直接結びつく効果はありませんが、コンバージョンのアップやリピート率のアップには欠かせないステップです。では、どのようにユーザーの使い勝手を測るかというと、直帰率やサイト内CTRをキーワードごとに分析して、最も効果的なキーワードユーザーに合わせてウェブページを最適化します。ちなみに、ここでいう質の高いデザインとは、きれいなデザインなどのデザイン性のことではなく、ユーザーにとって使い勝手のよい「質の高い」デザインのことを指しています。

#3の「重複コンテンツ問題をなくす」は、とても重要な問題です。重複コンテンツとは、同一内容のページが2つ以上存在することで、検索エンジンの特性上、同一内容のページは一つしかインデックスしないという傾向にあります。この重複ページ問題で厄介なのは、ウェブシステムの作り方次第で知らず知らずの内にできてしまっているという現象が起きることがあるのです。
例えば、全国に支社がある企業を考えてみます。この企業は支社ごとに独自ドメインを持ち、運営も各支社で行っています。ただ、サイトコンテンツ内に全国の支社や本社のプレスリリースが表示される共通のページがあり、支社や本社でプレスリリースを打つと自動的に全支社のウェブページにプレスが差し込まれるというものです。各支社の動きや本社の動きが支社にダイレクトに表示されるので、会社の情報共有にもなりますし、各地域への情報開示にも役立ちます。
しかし、検索エンジン的は問題があります。同一ページ(重複コンテンツ)が自動的にいくつもできてしまうため、検索エンジンはその内の1ページしかインデックスしません。もし、北海道支社が北海道限定のキャンペーンをプレスリリースで打ったとしても、場合によっては本社のプレスページしかインデックスされないという現象が起きるため、北海道地域への販促力が大幅に減少するなどの支障が出ます。ですから、同一ページを共有し合うシステムを導入している場合は、重複ページにならないような工夫や仕組みを入れることが必要です。

#4の「できるだけ少ないクリックで深い階層のページまで到達」は、#3の「検索ロボットが全コンテンツを解析できる」と重複部分が多いのですが、ここでは検索エンジンロボットではなく、ユーザビリティー上のことを指していると思います。
ただ、ここからは私の意見ですが、私はこれは必要ないと思っています。
なぜなら、この考え方はアクセスしてきたユーザーをサイト内に誘導・囲い込むことを目的としていますが、そもそもアクセスユーザーを強制的に誘導することはできませんし、ましてや自分の思い通りに囲い込むことはできません。色んなユーザーが色んな目的でアクセスしてくる訳ですから、運営者の思い通りにユーザーは決して動いてくれません。
では、どうすればいいかというと、検索エンジンからアクセスしてきたページで、できる限りユーザーを満足させるコンテンツを提供することと、関係の深い他ページを1ページだけ紹介するのです。昨今のユーザーはせっかちです。ランディングページで満足できない場合は、わざわざ他のページは見てくれません。そこで、ランディングページを充実させることが重要なのです。そこで帰ってしまうユーザーは将来的にも顧客にならない人なので、それはすっぱりと諦めます。しかし、ランディングページを見た人で「もっと見たい」と思った人にだけ関係の深いページを見せてあげるのです。行動心理学的にユーザーは今見ているページと関係性の薄いページが表示されると多くの場合、集中力が途切れます。ですから、手当たり次第に深い階層ページにリンクを張ったり、運営者都合で資料請求フォームへのリンクを張るのではなく、今見ているページと関係の最も深いページとリンクさせる必要があります。

#5の「トラフィックを集めるキーワードを選択し、コンテンツ内で賢く用いる」でやっとSEO中心の作業に入ります。ここでは、アクセスユーザーが使用するキーワードの中でもトラフィック(アクセス)が多いキーワードに絞って最適なページをSEOしましょうと言っています。
ただ、ちょっと待ってください。#5は コンテンツを充実し、デザインの質の向上、サイト内リンクの最適化を行うことで、多くのユーザーが訪れたことを前提として話していますが、現状はそんなに簡単にはいきません。 また、#2と#4もすでにアクセスユーザーがある(しかも多くの)ことが前提での作業です。
私の経験から言いますと、ダイヤの原石のようなキラーコンテンツを持っていない限り、99%のウェブサイトがコンテンツを充実したくらいでアクセスが飛躍的にアップすることはありません。前回も書いたように、このスキームは「コンテンツありき」で書かれています。よほど優れたキラーコンテンツであれば、コンテンツの充実を行うと自然とナチュラルリンクが集まり、徐々にアクセスも増えるのですが、前述したようにほとんどのウェブサイトには当てはまりません。ですから、一般的には「キーワードありき(SEOありき)」でスタートしないといつまでたってもこのスキームに乗れません。ただ、ここではそんなことを言ってもしょうがないので、アクセスが集まったということを前提に話を進めます。

「コンテンツ内で賢く用いる」とは、キーワードを詰め込みすぎず、適切に使いましょうと言っているのだと思います。キーワードの詰め込み過ぎはキーワードスタッフィングと呼ばれ、度が過ぎると検索エンジンスパムになります。
ウェブサイトの情報や本に書かれているテクニックによると、キーワードはページの文字数全体の5%前後くらいで挿入するなどと書いているものがありますが、キーワードの挿入度に数も%も全く関係ありません。それよりも日本語として正しいか、内容はキーワード中心に書かれているかという点が重要です。

これで、一通りのスキームが完了したわけですが、ここでほっとしていてはいけません。これをキーワードごと、あるいはページごとに何週も継続して行うことで内容が充実・整理されて本当によいウェブサイトが出来上がっていきます。そのような状態まで高めることができれば下手なSEOテクニックなどを用いなくても、ウィキペディアのように各ページが最適なキーワードで上位表示されるようになります。中長期的にSEOを本気で取り組んでみようと思われる方はぜひ実行してみてください。