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2010年、地デジ開始。地デジ化と検索エンジンの関係について妄想してみました。

 

地デジ化と検索エンジンについての妄想

2010年にテレビが全国的に地デジ化しますね。今回はテレビが地デジ化、つまりデジタル化した場合の検索エンジンと生活への影響を妄想したいと思います。(あくまでも「妄想」です)

現在のテレビ放送はアナログと呼ばれ、テレビ局からの電波を消費者が一方的に受け取る仕組みで成り立っています。テレビ局の収益は番組に出資する「スポンサー」で成り立っており、消費者は無料で番組を見られる代わりに、番組中にスポンサー商品のCMが流れることで、スポンサー側は多くの消費者への販促を行えるというビジネスモデルです。(NHKはスポンサーがない代わりに集金者が自宅まで集金に来ます。)

今のアナログ放送に対して、2010年から開始される放送形態をデジタル放送と呼びます。
アナログ放送では、テレビ局が一方的に放送を送るだけなので、番組を見ている人がその放送に対してどう思っているか、またチャンネルを途中で変えたなどの情報は正確にはわかりません。そのため、テレビ局では番組ごとの人気度や視聴率を計るために「モニター」と呼ばれる特定の人たちと協力してどの番組がどれだけ見られているかを大まかに計測しています。
それに対してデジタル放送では、全国のすべての視聴者がどの番組をどれだけ見ているかを正確かつ簡単に計測することができ、また番組進行中に誰がどれだけチャンネルを変更したかなどの情報も計測することができます。(多分…)
つまり、デジタル放送にすることで今までにない正確なマーケティングが可能になる環境が整うため、番組の構成・制作に大きく役立つようになります。また、制作会社も現在のような制作者の「感覚・勘」などに頼る番組制作ではなくデータに基づいた番組制作が行われるようになると思われます。また同時に制作会社には、番組データを分析するマーケティング能力が要求されますし、テレビ番組専門のマーケティング会社が登場する可能性もあります。

地デジ化でテレビ局は儲かる!

では、アナログ放送からデジタル放送に代わることで実際の消費者(我々)にはどのような変化があるのでしょうか?
まず、一番大きな変化はインターネットとの融合でしょう。インターネット回線と同期することで、テレビとウェブとの垣根がなくなります。地域の垣根がなくなるということは、ローカル番組が全国どこでも見ることができます。また、インターネットの代名詞ともいえる検索エンジンがテレビに進出します。
一番可能性が高いもので言えば、グーグルのアドワーズやオーバーチュアのスポンサーサイトなどのリスティング広告がテレビに進出するでしょう。

例えば、バラエティー番組に出演している人気女優の着ている服を知りたいときには、女優の服をリモコンでクリック(?)するとブランドや価格、販売しているショップの情報などが表示されるといった具合です。また、場合によってはクリックせずとも「セカイカメラ」のように情報が画面上にタグで表示されるということもあるかもしれません。
もちろん、表示される情報の多くはリスティング広告に出向している広告主のものが表示され、それ経由で消費者が物を買った場合には、グーグルやオーバーチュアからテレビ局に報酬が支払われることは間違いありません。

また、デジタル化されることで、消費者の住んでいる場所ごとにCMを変えて流すことも可能になります。現在のテレビCMはローカルCMとはいえ、ある一定地域に一斉に放送しなければならないため多額の費用が発生します。(全国放送ならなおさらです)
しかし、デジタル化により流す地域を限定することもできるし、場合によってはユーザーを絞り込むこともできます。

例えば札幌のラーメン屋さんがテレビCMを流す場合、現在では北海道全域か空知地方全域が放送地域となるため料金も決して安くありません。しかしデジタル化になることで、札幌市の中央区限定でCMを流すことも可能になります。また、その気になれば鹿児島市限定でCMを流すこともできるのです。(札幌のラーメン屋さんが鹿児島市限定でテレビCMを流すことはあまり考えられませんが…)
地域を小さく限定することで、広告費用も抑えることができるため小さなラーメン屋さんでもテレビCMを出すことができるかもしれません。(「ローカライズドCM」とでも言うのでしょうか。)

また、30代の女性限定の化粧品を販売している会社の場合、今までのテレビCMであれば全国放送で老若男女問わずCMを打つしかありませんでしたが、デジタル化で消費者一人ひとりのデータがある程度収集できるため、30代の女性が使用しているテレビ限定で化粧品CMを打つことも可能です。(「パーソナライズドCM」とでも言うのでしょうか)
ちなみに、何でそんなことができるかというと、テレビがデジタル化するということはインターネット化、パソコン化と同義ということです。つまり、インターネットを介してユーザーが所有しているテレビの情報(何をどれだけ見ているか等)を双方向で収集することができるため、年齢層や性別、趣味などをある程度特定することができるのです。

上記のような今までできなかったことが色々と可能になる舞台裏にはインターネットがあるからこそ実現可能です。テレビは今までに獲得できなかった顧客層を開拓できるとともに、検索エンジンからの収益も見込むことができるため、今よりも大幅に収益が上がることが簡単に予想されます。
またデジタル化に伴ってシステム整備が進むので、テレビ局は多くのコストを削減できるため、さらに利益率は向上します。

テレビ各局が一斉に地デジ化を進めるのは儲かるからです。儲からないならやりません。
一般消費者から見ればテレビ局が儲かろうが関係ありませんが、地デジ化でテレビが「次世代」のものになり、生活にもっと便利なものになることは間違いありませんので、地デジ化の期待は高まります。
検索エンジンがテレビに進出することで検索ユーザーの数も大幅にアップします。SEOのプロモーション方法も様変わりすると思いますが、効果的にSEOを行えば今の数倍の効果を発揮することもできるでしょう。