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検索結果の黄金の三角地帯

 

Eyetools社、Enquiro社、Did-it社が明かす「検索の黄金三角地帯」

今回のお話は、ウェブマーケティング業界では結構有名なお話です。
原文は、http://www.eyetools.com/inpage/research_google_eyetracking_heatmap.htm
下記内容は、原文の意訳になります。

アメリカのウェブマーケティング会社のEyetools社は、オーガニック検索結果ページ、ペイパークリック広告に対して視認性とクリックスルーを研究した結果、ページ内の表示位置と検索結果順位の重要性がユーザーの視線に大きく関係すると発表しました。

上図のように、ユーザーの視線の圧倒的多数は検索結果の最上位を頂点とした三角形状に起こっており、それが最大の興味エリア「金色の三角形」を形成していることを示しているということが明らかになりました。

第一研究フェーズは、カリフォルニア州サンフランシスコにあるEyetools社の視線追跡研究施設にて50人の被験者を対象として行われました。これは検索エンジンの利用を要する5つの独立したシナリオについてパネリストを交えて実施され、いずれのシナリオにおいても検索エンジンとしてGoogleが利用されています。
視線の動きを調べたところ、Googleの検索結果ページ内における視認性の鍵となるのは画面内に視線が形成する三角形であるということがわかりました。その三角形とは検索結果のトップに移動し、最初の検索結果をなぞり、そこから「above the fold」(画面のスクロールが必要となってしまう部分)と呼ばれる左下へ向かって降りていくというエリアのことで、その部分は被験者の100%が視認しており、「黄金の三角地帯」と呼ばれました。
一般的にこのエリアにはスポンサー広告やオーガニック検索結果の上位のもの、もしくはGoogleが検索結果として付加するショッピングやニュース、もしくは地域のオススメといったものが含まれています。オーガニック検索結果の目視率は、最上位を100%すると「above the fold」地点では85%まで下がり、その下で50%、そしてページ最下部では20%と劇的に下がっています。

オーガニック検索結果の目視率
(検索順位ごとの被験者の目視率)
1位 - 100%
2位 - 100%
3位 - 100%
4位 - 85%
5位 - 60%
6位 - 50%
7位 - 50%
8位 - 30%
9位 - 30%
10位 - 20%

ユーザーの視線が「above the fold」の下、つまりスクロールが必要になり、視線走査とクリックスルーは劇的に変化します。 目の運動量は画面の上部から4、5番目の検索結果までに劇的に低下し、画面最下部に到達してしまうとそこからページの最後までほぼ一貫して低下したままになります。

また、検索結果画面の上部と右部にスポンサー広告が表示された場合、右部のスポンサー広告が10%から50%という視認率であったのに対し、上部に表示された広告の方は80%から100%というはるかに高い視認率を得る結果となりました。
右部のスポンサー広告に関しては、最上位の広告が高い目視率とクリックスルーを得る結果になりました。対象者の50%が最上位の広告を目視するのに対し、6、7、8番目の広告を視認した被験者は10%という結果に終わっています。

右側に表示されるスポンサー広告の目視率
(ランクごとの被験者の目視率)
1 − 50%
2 − 40%
3 − 30%
4 − 20%
5 − 10%
6 − 10%
7 − 10%
8 − 10%

視線はまず検索結果の左側を垂直に移動しながら視覚的な手がかり(関連語句、ブランド名など)を探すように移動し、被験者の興味を引くものがあれば右へ移動するという、ちょうどアルファベットの「F」の形のような走査パターンになります。

これら最初の分析結果は、ニューヨークで開かれたサーチエンジンストラテジーカンファレンスにて発表されました。興味深い分野である限り研究成果は報告され続けるでしょうし、個人の詳細な行動パターン分析にも必要とされるでしょう。
Did It社のKevin Leeは「現時点では、我々が研究で発見してきた内容については、それほど驚いていません。これら結果の大部分については恐らくそうなるであろうと考えていたのですが、そうしたことを視覚的に説得的な手段において確認できたことは途方もなく大きな価値があり、我々の方法論が研究の第2段階においても支持されることを証明しています。 またスポンサー広告における検索結果について言いますと、これはとりわけGoogleの上位スポンサー広告に言えることなのですが、上位表示されることによる明確なブランド効果と目視率のアドバンテージを得られるといったことをデータが示しています。ただ残念ながらこれらの広告は常に検索結果に表示されるわけではありません。 Google はこの点に関して少し気まぐれですね。」とコメントを残しています。
また、Enquiro社 の Gord Hotchkissは次のように追加しています。「過去の研究では、検索者がリンクをクリックするまでにもっと時間をかけると考えられていましたが、今回の研究を含め、眼球がどこで止まるかということが非常に重要であり、またクリックは以前考えられていたよりもずっと早く行われるという研究結果が導き出されました。この結果から検索マーケティングは不動産ゲームであるといえます。つまりは場所が全てである、ということです。」

また、Eyetools社のCTOであるグレッグ・エドワーズは「視線追跡という研究手段は、人々がなぜクリックするか、あるいはクリックしないかというギャップを埋めることを可能にするツールです − 人々がクリックするか否かを決定する基準を定量化することで、企業は見込みを立てて人々のニーズを満たすためのデザインをすることができるようになります。また、このアイデアを検索結果という舞台に適用することで、企業はよりよいマーケティング・コミュニケーション計画を立てて、見込み客を顧客に転換することが可能になります。」とコメントしています。

この研究は今も続いており、第一研究フェーズの結果はとても有望なものです。さらなる分析が終わった後にはまた新しい結果が報告されるでしょう。