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大規模と小規模のGoogle検索実験

 

大規模と小規模のGoogle検索実験(全文訳)

一週間ほど前に、グーグルのオフィシャルブログでグーグルが日々行っているユーザーインターフェイス(UI)の実験の一部が公開されていましたのでご報告いたします。
なお、このブログ内容は全文訳したほうが内容を伝えやすいので、今回は英文をそのまま全文訳したものを掲載します。(ほぼ直訳に近いたちで翻訳していますので、分かりにくい点などがあるかもしれませんが何卒ご容赦ください。)
原文:http://googleblog.blogspot.com/2008/08/search-experiments-large-and-small.html

検索実験、大規模と小規模

2008年8月26日 11:23:00am

前回のブログでは、ユーザーにとってのウェブ検索体験のコンポーネントとすばらしい検索体験を作成するための原則について記述しました。スペリング訂正(検索キーワードにミス入力をした時に表示される「もしかして…」)と各検索結果で表示されるスニペット(ランキングされ表示される抜粋文書)などのシンプルな機能の根底には複雑なアルゴリズムがあります。実験をし続けることで何が使えるかを判断しています。 少数のユーザーのための小規模なテストが、その機能が役立つか否かを決定する重要な鍵となるのです。

実験とは非常に強力なツール(手段)で、検索のための可能な限りの変更をテストするために我々は幅広く使用しています。時間の許す限り、あらゆる場所で50から200の実験を世界中のGoogleサイト上で行っています。まずは注意深くページを見ても変更に気づかない実験内容について説明し、最後に我々が行った見た目にもわかりやすい2つの実験について説明したいと思います。Googleの変更の全てを熱心に見つけようとする人がたくさんいます。そして時々、我々が何もしていないにも関わらず変更がされているかのように想像してしまう人もいます!そして彼らは我々がより目立つ実験を行っていることを知っています。しかし小規模な変更の実験はほとんど誰にも気付かれてはいないでしょう。

例えば、次の2つのページの違いがわかりますか?

チョイス 1:

チョイス 2:

私自身も、この2つのページを別々に見た場合、その違いには気付かないと思います。しかし恐らくわかるでしょう!少なくとも全体で見ると、だんだんと見えてくる違いに気付くはずです。慎重に見ても分からない方のために説明すると、一つ目の検索結果の周りの空白のスペースが変更されています。これによって、チョイス2の方が一つ目の検索結果がやや目立って見えます。この見た目での現れは、Googleのランキングシグナル(信号)によると一つ目の検索結果が二つ目より大幅にマッチしていることを示しています。利点としては、最初の検索結果に注目することができるということです。しかし、他の結果を探していた場合、このページ上をスキャンする(見る)ときにこの空白は邪魔になる可能性があります。実験によって、その効果がより優れているか、そして変更がユーザーの検索を効率的に速くできるかどうかの決定をします。

もう一つの変更も、先ほど同様に視覚的には分かりづらいのですが、次の2つの結果を見比べてみてください:

この場合では、ユーザーの反応の違いがはっきりしたので、どちらがより良いか非常に迅速に判断ができました。表示の違いはShow stock quote for IBMの隣のプラスボックスの太さです。さて、どちらの方が"本当により良いか"という結論を出すのは実は難しく、かなりの時間をかける必要があると思います。プラスボックスが目立つ方が良いのでしょうか?もしプラスボックスがより目立つことで、ユーザーが良い結果を見逃すことになるとどうでしょう?どちらのバージョンが採用されるかGoogleを見続けて下さい!もし我々が正解を選んだ場合、気付かれないうちにユーザーにとって少しは良い方向に進むはずです。地球がバラ色になり、鳥がさえずり…とまではいかないでしょうが、少なくとも我々が作成したより良いデザインのプラスボックスを使う日が来るでしょう?

勿論全てのGoogleの実験が、視覚的に異常なほどに分かりにくいというわけではありません。上記の実験を紹介することで私が何を言いたいかというと、我々が気にもとめないであろう(問題にもならないような)非常に小規模な部分も含めほぼ全てのことに対してテストを行っているということです。実際には、小規模な変更は問題視され我々も注目していることなのです。

また別の種類の実験とは、単純に視覚的にわかる変更だけではなく、むしろ裏にあるプレゼンテーションアルゴリズムの変更にも関わるものです。例えば、検索結果ページに表示されるタイトルやスニペット内にある元の検索キーワードの語句や類義語を下記のようにハイライトしているのがまさにそのアルゴリズムによって成される技なのです。[hp printer drivers]という検索キーワードに対して、我々は検索結果内に"driver"という語句をハイライトして提供しています。

このような"ステミング"(関連する語句を結果に提供すること)と呼ばれる作業は一般的に良いアイデアだと言えるでしょう。なぜなら、全ての場合に当てはまるとは言いませんが、ユーザーの検索キーワードにマッチする結果を識別するのに役立つからです。この種の実験はこれらのアルゴリズムの変更に関しての前提条件を確認する(時には覆す)のに役立ちます。

さらに他の種類の実験があります。これは見た目に分かりやすい種類のもので、わりと目立つ機能を紹介しています。これらの大規模な機能があっても、実験の目標は常に変わることなく同じです。我々は本当に役立つものを追加しているのでしょうか、それともユーザーにとってはただの邪魔なものにすぎないのでしょうか?Googleにはユーザーマニュアルというものが有るわけではありません。(実際には、丁寧に書かれたヘルプページがいくつかありますが、ほとんどのユーザーはそれらを読んでいないとほぼ確信しています!)つまり丁寧な説明なしで、ユーザー自身がその機能を使っていく必要があります。実験の目標の一部は、機能がユーザーによってどのように使われているかを理解するためですが、それは元々の我々の目的からはかなり異なる場合もあるでしょう。

これは実験の例ですが、検索結果にコメントを掲載することができ、その結果ページ内でコメントを移動させることができます。

今の時点で我々がこの機能に何を期待するかは分かりませんが、ただそれがどう使用されるか興味があるだけです。

今回のブログでは、全てをテストする中で、我々が行う実験の中から視覚的に分かりにくい変更から明らかに分かりやすい変更までのわずかなサンプルを紹介しました。次回あなたがGoogleを使ってもしも何か違うと感じた場合、たぶん本当に違っているのかもしれませんよ。あなたにとってだけ!