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アドワーズが同一セッションの検索クエリを新たに参照

 

グーグルのアドワーズ広告がまた進化しました。

行動ターゲティング広告がさらに進化

米グーグル製品管理担当ディレクター・Nick Fox氏は、アドワーズ広告に、新たに同一セッション内のユーザーの検索クエリ(検索行動、ここでは、検索したキーワードのことを指す)を参照して、アドワーズ広告の表示パターンを変えるアルゴリズムを追加したことを明らかにしました。

具体的に説明すると、例えば、グーグルで「イタリア」と検索すると、下図のような結果が表示されます。(2008年7月3日現在、赤枠が、アドワーズ広告)

表示されるアドワーズ広告は、もちろんイタリアに関係するものが表示されていますね。
では、次に「留学」と検索した後に、もう一度、「イタリア」と検索してみます。

ご覧のように、最初に「イタリア」と検索したときに表示されたアドワーズ広告とは、まったく違うアドワーズ広告が表示されます。

表示された広告を見ると、留学に関係するイタリアのサイトが目立って表示されていますね。

つまり、ユーザーが検索したクエリ(キーワード)をグーグルが覚えていて、ある人が、「留学」と検索した後に、「イタリア」と検索した場合、その人は、「イタリアの留学に興味がある」と関連付けて、その人に合わせたアドワーズ広告を表示させるのです。
このような広告方法を、行動ターゲティング広告と呼びます。

実は、このアルゴリズム、昨年の8月から試験的に開始されています。(日本でも対応)
ただし、今までのアルゴリズムは、直前の検索クエリに限られて広告が変化していたのですが、今回のアルゴリズムでは、同一のセッション内も考慮に入りました。
つまり、より具体的にユーザーの人物像を視覚化して、その人が最も興味を持ちそうな広告を表示することができるため、CTR(クリックスルーレート)の向上が期待できます。

また、Nick Fox氏は、インタビューの中で、次のように話しています。

「我々グーグルは、常にユーザーが何を求めているかを理解しようと努めています。ただ、1回の検索クエリだけでは、ユーザーの求めているものを確定するには不十分なため、ある程度の文脈が必要になります。しかし、文脈といっても、ユーザーの1ヶ月前までの検索クエリは必要ではなく、少なくとも2〜3回まで遡った検索クエリを参照すれば十分です。」
参照:ニューヨークタイムス Published: June 27, 2008

実は、米ヤフーと、AOLなどは、以前から、検索クエリなどを参考にした行動ターゲティング広告のサービスを開始しており、ユーザーの数日までの行動履歴から広告を変化させるアルゴリズムで運営しています。
今回のNick Fox氏の発言で、「ユーザーの1ヶ月前までの検索クエリは必要ではなく、少なくとも2〜3回まで遡った検索クエリを参照すれば十分です」といっていることから、米ヤフーと、AOLなどのアルゴリズムを否定する形になっています。

私個人の意見としては、グーグルの方が理にかなっていると思います。
数回前に検索したクエリを参考にするほうが、ユーザーのモチベーションは高いでしょうし、数日前まで遡ると、情報が多くなりすぎて、ピンポイントの広告が打てないような気がします。