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Google 検索品質を公開

 

今までブラックボックスで、絶対に公開することのなかった検索アルゴリズムの一端を初めてGoogleが公開しました。詳しいことは公開してはいないのですが、今後のSEOを行なう上で、十分なヒントが書かれています。

Googleが検索品質で重要としているポイント

2008年5月20日 午後6時20分 にGoogleのオフィシャルブログ上で、「Introduction to Google Search Quality」(グーグルの検索品質の提唱)というタイトルで、Udi Manber 氏により公開されました。※このUdi Manber氏は、 GoogleのSearch Quality team(検索品質チーム)のVice President(副総裁)に位置する人です。

今回公開されたGoogleの検索品質とは大きく分けて5つです。

1. ページランク (PageRank)
2. 言語モデル (language models)
3. クエリモデル (query models )
4. 時間モデル (time models )
5. パーソナライズドモデル (personalized models)

ページランクに関しては、多くの方がすでにご存知のように、グーグルの検索アルゴリズムの中でもリンクの評価に関するパートです。
現在のSEO業界では、「ページランクを順位の判断基準にはしない」ということは半ば常識的になっていますが、グーグルも記事の中で、「ページランクは、多くのアルゴリズムシステムの中の一つのシステムです。」と言っています。

次に、「言語モデル」に関しては、慣用句、同義(類)語、発音、スペルミス」などを判断するモデル(システム)です。
グーグルで検索すると、「もしかして:〜」という表示が出たことがありませんか?これは、検索キーワードを判断して、スペルミスや、検索キーワードよりもよく使用される慣用句などをサジェスト(提案)する機能です。ここに、上記の言語モデルが使用されていると考えられます。

3のクエリモデルは、「正しい言葉でなくとも、その時点で多くのユーザーが使用する言葉(フレーズ)」と書かれています。つまり、「言葉」は時代によって変化するので、その時代にあった言葉やフレーズを認識して、検索結果に反映させるということです。

一番興味を引いたのは、「時間モデル」に関してです。
これは、「検索キーワードに対しての順位を決める際に、ウェブページがいつ作成されたかを気にするのではなく、キーワードに対してどのウェブページがベストアンサーかを基準にスコアリングする。」というものです。

今までのグーグルは、「エイジングフィルター」という、ある程度時間が経過したウェブページでなければ、書かれている情報の信頼性が薄いと判断されて、なかなかインデックスされないという傾向がありました。ところが、最近では時事性のあるニュースキーワードで検索すると、最新ニュースが検索上位に表示されるようになっており、作成時間も一緒に表示されるようになりました。

SEO的には、この時間モデルを逆手にとって、時事的なキーワードで十分な内容を保有しているウェブページであれば短期間で上位表示される可能性があるため、超短期的なLP(ランディングページ)を作成することが可能です。※ただし、そのキーワードの「旬」の時期が過ぎれば、上位表示されなくなると思いますが。

最後にパーソナライズドモデルに関してです。
パーソナライズドモデルは、以前からグーグルが提唱している次世代の検索エンジンモデルのことで、検索画面や結果に、使用するユーザー(パーソナル)の趣味・趣向・思考などを反映させる検索エンジンのことです。

つまり、旅行好きの人が「イタリア」と検索すると、検索結果の上位には「イタリア旅行」の情報が出るようになり、イタリア料理が好きな人が「イタリア」と検索すると、検索上位には「イタリア料理店」の情報が出るようになるというものです。

これは、使っているPCのクッキーや、グーグルツールバーの検索履歴、同一IP(セッション)からの検索クエリなどをもとに表示するものと考えられますが、このような検索エンジンになれば、ユーザーの利便性は間違いなく上がるでしょう。

ただ、このパーソナライズドモデル、極端に作り過ぎるとデメリットもありそうです。
検索エンジンで検索していると、求めている情報以外にも「あれ?」と興味を引かれる情報がたびたびヒットします。パーソナライズが敷かれると、このような 「偶然の出会い」が極端に少なくなるため、インターネットの良さの一つが失われてしまう可能性もあります。

でもグーグルのことですから、その辺もうまく作るのでしょうね。