
医療・金融サイトの順位を上げるSEO対策
2018年8月1日Googleの検索結果(検索順位)が大きく変わりました。 特に、医療系・金融系サイトの順位の変化が激しく、この記事を読まれている方も、順位の大幅な低下をなんとかしようと打開策を探している方が多いのでは無いでしょうか?そこで、今回の状況を改めて整理をし、検索順位が大きく動いた原因や、今後の対策をご紹介します。
目次
- 1. 検索順位が下がった原因
- 1-1. Googleのアルゴリズムアップデートがあった(※公式アナウンスあり)
- 1-2. 確認すべきポイント3つ「E-A-T」
- 2. 有力情報のまとめ
- 3. 実際に順位の変化を調べてみた
- 3-1. いまも上位にいる医療系サイト
- 3-2. 下がってしまったサイトと比較してみる
- 4. 今後順位を上げるためのSEO対策
- 4-1. コンテンツの内容を専門的か?
- 4-2. コンテンツに信憑性はあるか?
- 4-3. コンテンツは信頼されているか?(リンクを獲得)
記事を読むのにかかる時間:7分
1.検索順位が下がった原因
そもそも、なぜ医療系・金融系サイトなのでしょう?
これは、Googleが検索順位を決める評価項目の中にある「YMYL(Your Money or Your Life)」と「E-A-T(Expertise Authoritativeness TrustWorthiness)」が関係しています。
YMYLとEATの詳しい解説は今回はしませんが・・・
YMYL(Your Money or Your Life)
一部のサイトは、将来、健康、財務の安定性、またはユーザーの安全に影響を与える可能性があります。我々はそのようなサイトを “あなたのお金またはあなたの人生のためのページ「YMYL」と呼びます。
引用- Google検索品質評価ガイドライン
https://static.googleusercontent.com/media/www.google.com/ja//insidesearch/howsearchworks/assets/searchqualityevaluatorguidelines.pdf
E-A-T(Expertise Authoritativeness TrustWorthiness)
E-A-Tは、Googleが作ったことばで・・・
Expertise = 専門性
Authoritativeness = 権威性
TrustWorthiness = 信頼性
これらの略語です。
これらを予備知識として覚えておいて下さい。
1-1.Googleのアルゴリズムアップデートがあった
2018年8月1日Google検索のTwitterアカウントよりアナウンスがありました。
This week we released a broad core algorithm update, as we do several times per year. Our guidance about such updates remains the same as in March, as we covered here: https://t.co/uPlEdSLHoX
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2018年8月1日
当社は年に数回、アルゴリズムのアップデートを行っていますが、今週は幅広いコア・アルゴリズムのアップデートをリリースしました。一連のアップデートに関する当社からの案内については、3月にここで取り上げた内容のままです。今週、1年に何回も行うように、幅広いコアアルゴリズムのアップデートをリリースしました。そのような更新に関する私たちのガイダンスは、ここで取り上げたように、3月と同じままです
引用- twitter @searchliaison
https://twitter.com/searchliaison/status/973241540486164480
このアップデート、「YMYL関連のサイト(ページ)はE-A-Tを見て検索順位変えますよー」というもの。ですので、8月1日頃から順位が急激に下がっている場合は、サイト内のコンテンツのE-A-Tが低かったということです。
1-2.確認すべきポイント3つ「E-A-T」
では、サイトの「専門性」「権威性」「信頼性」とはなんなのか?これは、本記事の4.今後順位を上げるためのSEO対策でご説明します。
2.有力情報のまとめ
Webで見つかる有力な情報をご紹介します。
今週 Google では広範囲にわたったコア アルゴリズムのアップデートを実施しました。これは年に数回実施されるもので、このアップデートにより受けた影響に対してできることは、いつもと同様に検索ユーザーの探している良質なコンテンツを作っていただくことです。詳しくは英語の投稿をご覧ください。 https://t.co/wS4wKRNc4z
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2018年8月2日
3.実際に順位の変化を調べてみた
Googleのアルゴリズムアップデートがあり、順位が大きく変わったときは、まず現在上位になっているサイトを見てみましょう。上位のサイトに書かれている内容や、SNSは行なっているか?など確認しましょう。その後、自分のサイトと比較をすれば、必ず違いが見つかります。
今回、弊社にて順位を追っているサイト(8/1から順位低下)のデータを使用し、実際に上位サイトとの比較を行いました。
3-1. いまも上位にいる医療系サイト
まずは、「札幌 鼻炎」で検索。
上位10サイトはこんな感じです

書かれている内容はざっとこんな感じです。
======================================
・どんな症状が出るのでしょう?
・鼻炎の種類の解説
・鼻炎が起こるメカニズム
・原因物質(アレルゲン)について
・検査方法
・使用する薬について
種類・服用期間
・薬以外の治療法
☆日本医療機能評価機構からの認定証(pdf)リンク
☆提携クリニックとのリンク
☆記事を担当した人間のプロフィール
======================================
これらの内容が、10サイトの平均で約7,000文字で書かれていました。
※平均値はウェブ大魔王を使って確認しています。
平均7,000文字はかなり多い!上位に表示されているサイトにはそれだけの情報量があり、専門性が高いと評価されているのでしょう。さらに上記☆の部分があることで、サイトを見た人が「安心・信頼」出来る材料となります。これは権威性の評価に繋がっているでしょう。
次に被リンクも調べました。

被リンク数の平均は下記のとおり。
被リンク数(平均)
32,276
被リンク元ドメイン数(平均)
2,621
被リンクに関しては、信頼性の評価を高めます。ただし、数が多ければ良いというわけではありません。極端な例ですが、素人の方が「この病院が良いよ」と言っているサイトと、専門家(医師や大学教授など)が「この病院が良いよ」と言っているサイトでは、どちらが信頼できますか?後者のほうが信頼できますよね。被リンクも同じで、どんなサイトからリンクがされているかがリンク元の質も評価になるのです。 その数と質を調べてみてもやはり上位のサイトは評価が高い傾向にあります。
3-2.順位が下落したサイトと比較してみる
では、今回のアップデートで順位が下がってしまったサイトはどうなのか?
前項の上位サイトの数値と比較してみました。
書かれている内容
======================================
【なし】どんな症状が出るのでしょう?
・鼻炎の種類の解説
・鼻炎が起こるメカニズム
【なし】原因物質(アレルゲン)について
【なし】検査方法
・使用する薬について
【なし】種類・服用期間
・薬以外の治療法
【なし】☆日本医療機能評価機構からの認定証(pdf)リンク
【なし】☆提携クリニックとのリンク
【なし】☆記事を担当した人間のプロフィール
・患者様の声
======================================
上位で記載されていた内容の半分以上がありませんでした。また情報が記載されていても、上位サイトに比べると詳しく書かれておらず、簡単な情報のみを書いている印象です。また、執筆者情報も書かれていませんでした。 そして、文字数を比較した結果がこちら。

右から2番目の数値が文字量ですが、やはり少ないですね。半分以下しかありません。コンテンツの専門性と権威性(内容と量)が検索順位に大きく影響していることがわかります。
被リンクは・・・

表の右から「被リンク数」「被リンク元のドメイン数」「被リンクの評価点」です。 弊社で順位測定をしており、今回順位が下がったサイトは弊社で順位計測を行なっていたサイトは、被リンクの数が少ないことに加え、ほとんどのリンクが「自分で更新している無料ブログサイト」からのリンクでした。そのため「信頼性に欠ける」とGoogleに評価されてしまったのでしょう。
4.今後順位を上げるためのSEO対策
いま、検索順位の低下で困っているのであれば場合は、次項の内容から、自分のサイトはどうか?を確認して、不足している内容を優先的に対策してください。
4-1.コンテンツの内容を専門的か?「Expertise」
コンテンツの内容が誰でも知っているようなテンプレートのような情報になっていたり、コピペした文章になっていませんか?あなたの知識や扱っているサービスや商品の特徴をオリジナルのコンテンツで作成してください。そうすることで、自然と専門用語や、関連語*などが文中に含まれ、Googleからも良い評価を得られます。
*関連語=検索キーワードと組み合わせてよく検索される語句
4-2.コンテンツに信憑性はあるか? 「Authoritativeness」
コンテンツの信憑性を高めるためには、コンテンツの作成者(情報の発信源)を公開しましょう。加えて専門知識を持った人間であることを伝えましょう。
医師のプロフィールに略歴や所属学会、コメントなどをしっかり記載していますか?ブログの場合は「この記事は●●医師が書いております。」のような形で、プロフィールを記載すると良いでしょう。サイトを訪れた人に、この情報は「専門家が書いた正しい情報」であることを伝えるよう意識しましょう。
4-3.コンテンツは信頼されているか? 「TrustWorthiness」
単刀直入に言えば、よそのサイトからリンクされているかどうかです。
twitterやFacebookなどのSNSも、「共感」や「納得」することで情報を拡散します。Googleも、よそのブログやSNSなどから多く紹介(リンク)されている情報を、より多くの人に見せようとします。ただ、リンクの強化はすぐにできるものではありません。前述のように、専門的なコンテンツを作成し、それをSNSなどを活用し、世に発信することで獲得を目指さなければなりません。
リンクは検索順位への影響が特に大きく、リンク元サイトの質が悪かったり、数が少ないと順位が上がる事はありません。各業界の大手と言われるようなサイトが上位に表示されるのは、このリンクの効果が大きいです。
そのため、競合サイトの状況によっては、キーワードの変更を行なったほうが効率的にユーザーを獲得出来る場合もあります。
→効率的に検索ユーザーを獲得する「マルチターゲットSEO」
まとめ
いま、検索順位の低下で困っている方が確認・対策するべき内容
確認すべき3点
・コンテンツの内容が、オリジナルで専門的なものになっているか?
・コンテンツの信頼性が高いか?
・質の良いリンクを多数獲得できているか?
今後、これらの傾向はどんどん強まっていきます。 YMYLに関連しない(いまはアップデートの影響を受けなかった)サイトも、今後のアップデートによって順位が急に低下してしまう可能性があります。 そうなってから慌てるのではなく、いまからでもご自分のサイト・コンテンツを見直し、対策を行なうようにしてください。