検索順位とクリック率の関係性に変化が起きている理由

検索順位とクリック率の関係性に変化が起きている理由

1.ここ数年で見られる関係性の変化

PCやスマートフォンを誰もが持つようになり、自分の知りたいことをいつでもその場で、検索エンジンを使い情報を得ることができるようになりました。 表示された結果の中で、私たちは早く知りたいと思った答えを見たいので、表示されたウェブサイトを躊躇なくクリックするかと思うのですが、このとき、普通は上位に表示される情報を選ぶという心理が働きます。
ところが、ここ数年で検索上位のウェブサイトのクリック率が大幅に減少してきています。
ユーザーは検索結果を見てすぐにクリックしなくなってきているのです。

2.SEO対策によって得られるメリット

検索結果に含まれるウェブサイトを閲覧しないユーザーが増えた原因の一つは、検索結果表示にアンサーボックスやナレッジパネルなどの要素が登場したことです。
アンサーボックスはGoogle検索した際に、結果とは別に、キーワードの答えを表示する機能であり、ナレッジパネルは検索結果の脇に表示される枠です。
近年この情報表示枠の内容がかなり詳しくなっており、アクセス先や写真、ユーザーのクチコミに至るまで表示されるようになっています。
これらは、ユーザーがより快適に、素早く知りたい情報を見られるように検索エンジンが進化した結果です。

こうした技術の進歩により、1ページ目にあっても順位が低いウェブサイトをユーザーがクリックする機会が減少し、下位に表示される候補がますます不利になってきています。

3.どこに力を入れるかが重要

一方、スマートフォンではPCに比べ、検索順位が下位のクリック率がかなり低いと言われてきました。
画面が小さいのに、広告表示面積が大きいため、知りたい情報より広告の方が目立つことがその理由でしょう。
ウェブサイトを運営するなら、業種にもよりますが検索の7~8割以上がスマートフォンなど携帯端末からのアクセスを占めるケースが多いため、スマートフォンからの検索で上位を獲得するための工夫が必須です。

スマートフォンでの検索においても検索順位が下がるとクリック率が大きく減少することに変わりはなく、特にスマートフォンの場合にはページを何度もスクロールする手間もありますので、検索順位1位から3位などを目指すことになります。
事実、検索順位一桁でもクリック率は1%を切り、2ページ目に行くことすらほぼない状況です。

ただし、単一キーワードではなく複合キーワードでの検索となると状況は大きく変わります。
複数のキーワードで検索するユーザーはより詳しい内容を求めており、アメリカの調査会社によると3~4単語の検索の場合は、単一検索の場合よりも下位の検索結果のクリック率が高くなります。
具体的には1位のクリック率が50%以上となり、検索結果10位でも2桁台を維持しています。さらに2ページ目以降のクリック率も高くなります。
これは、複合キーワード検索を行う人のモチベーションの高さを物語っています。
漠然とした情報集めではなく、より目的を絞った検索なのでクリック率が高くなるのでしょう。

4.SEO対策を施すことのデメリット

検索順位を決める要因の一つとして「クリック率が低いことが検索順位低下の原因となる」という意見もあります。
もしそうであれば、ひたすら検索してクリックさせる自動プログラムを作れば検索順位は上がることになります。
実際には、検索エンジンの提供者はそのようなアルゴリズムはないと明言しています。
検索順位が高いサイトほどクリック率が高いので、影響しているように感じられるのでしょう。
SEO対策に成功するためには、ユーザーの求めに応えられるサイトを用意できるか否かに尽きます。
検索エンジンの側は、どんなページを上位表示することがユーザーにとってより適切かを常に分析し、常に改善・修正を行っています。
サイトを管理しているのなら順位とクリック率の検証は非常に重要ですし、常に注視することが基本です。
流入数の増加を目指すのであれば検索順位よりクリック率を上げる方に注力した方が直接的なメリットが多いでしょう。
当然ながら提供したいコンテンツがユーザーにしっかり届いているかどうかは、最も重要なポイントです。
SEO対策で検索順位を上げることでクリック率が上がるのは自明です。

ただ少し前にブラックハットが問題視されたように、キーワードの最適化やユーザーの役に立つ情報を掲載しているページの特定など、検索エンジン側も常に不正なページは排除するように対策しています。
また、優良コンテンツはSNSとの相性が良く、SNSでコンテンツが拡散されWebサイトへの流入にも大きく貢献しています。
本当の意味でSEO対策を施すなら、ベースとなるクリック数はおさえつつも、それだけに振り回されることなく、本当の意味で価値あるコンテンツの提供に尽くす姿勢が重要でしょう。

 

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