IT補助金を活用して業務運営をスムーズに

IT補助金を活用して業務運営をスムーズに

1.IT補助金で中小企業のIT化を推進

中小企業庁が行っている中小企業生産性革命推進事業では、中小企業や小規模事業者のIT化をIT導入補助金・ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金の3つの制度を通じてサポートしています。
中でもIT導入補助金は、ITツールを取り入れようとしている中小企業や小規模事業者に対して、補助金を支給することにより、IT化を推進する制度です。
IT導入補助金の対象となるのは、日々のルーティン化されている業務を効率的にするITツールや業務をスムーズにしてくれる情報を一元管理するクラウドシステムなどで、通常業務をサポートするITツールの導入に適用可能です。

補助額は40万円~450万円、補助率は1/2までとなっており、昨年よりも補助最大額が大きくなりました。
一方のものづくり補助金は、革新的なサービス開発や試作品開発をはじめ、生産性プロセスの改善を行うことを目的に、開発を伴うITツールの導入に利用できます。
補助の対象となる経費は新製品を開発するための製造機器購入やシステム構築費で、補助額は100万~1,000万円、補助率は最大で2/3です。
最後の小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や新規顧客の獲得のためのホームページやポスレジといった簡易的なITツールの導入を対象とする補助金です。

補助対象経費はホームページ作成、決済・会計ツール、外国人対応ツール(翻訳ツール)などで、補助対象者はIT導入補助金やものづくり補助金より狭く、小規模事業者(従業員20人以下、商業(卸売業・小売業)・サービス業は5人以下)に限られます。
補助額は50万円 までで補助率は2/3が限度、共同申請(補助上限額×事業者数)も可能です。

2.IT導入補助金とは

3つの制度のうちのIT導入補助金の目的について、詳しくご案内します。

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が自社の業務運営上の課題を解決したり、これからの時代のニーズにマッチするITツールを導入したい時に、その経費の一部を補助してもらうことで、企業等が導入しやすい環境をつくり、業務の効率化や売上アップ、企業の安定成長などをサポートする制度です。
便利なITツールの導入によって改善されることは分かっていても、イニシャルコストが高いことが導入のネックとなります。
大手企業と異なり、業務改善のための資金が不足している中小企業を応援してくれる補助金といえます。

補助金を通じてITツールを導入することで、日々のルーティン業務の効率化や情報の一元管理などが目指せます。
そのため、自社の現状をしっかりと分析し、現在おかれている環境から強み・弱みを把握して状況分析をしたうえで、見つかった経営課題や需要に合うITツールを導入することがおすすめです。

3.IT導入補助金の導入事例

IT導入補助金を使ってどのような業務改善や効率化ができるのか、想定できる導入シナリオは、例えば以下のようなものです。

定型業務の自動化ツール(RPA)の導入で、業務時間の短縮が可能です。
従来は個別にExcelで管理していた受発注管理や在庫管理、売上管理の連携をRPAで自動化したところ、各管理帳簿間での転記作業や転記ミスの修正作業がなくなり業務時間の大幅カットが実現します。

ホテル業において自社サイトをはじめ、トラベル予約サイトと複数に分かれていた宿泊予約サイトの一元管理システムを導入したところ、従来はそれぞれで行っていた宿泊予約サイトへの情報更新を一元管理できるようになります。
丸1日がかりで複数サイトの更新をしていたのが、1時間から2時間程度で終わるようになり、宿泊客へのおもてなし対応に時間をしっかり割けるようになったと好評です。

保育・介護の事業者では、情報共有・連絡ツールの導入や帳票・書類作成のIT化を通じて書類作成・提出までの時間が短縮され、早番・遅番スタッフの情報共有も円滑になります。

運輸分野では車両管理システムを導入することで、効率的な配車を組めるようになり、従業員1人あたりの勤務時間の短縮が実現できます。これによって従業員のオーバーワークを防止し、離職率の低下や定着率の向上にもつながります。

4.IT補助金の導入にあたって

それぞれの補助金では目的や趣旨、仕組みが異なっています。

補助金ごとに異なる特徴をつかみ、自社の事業とマッチする補助金を見つけることがポイントです。
補助を受けられるのは事業全部または一部の費用となり、必ずしも投資する全ての経費がカバーされるわけではありません。
制度内容や募集要項を事前にしっかりと読んで、補助対象となる経費はどのようなものが該当するか、または補助の割合と上限額などを確認しましょう。
また、誰もが気軽に補助を受けられるわけではなく、補助が受けられるかや金額額については審査があり、申請が必要になります。

基本的には事前の審査と事後の検査があります。
補助金は後払いとなるのが基本で、対象となる事業を実施した後に報告書等などの必要書類を提出して検査を受けた後、はじめて受け取れるといった流れになるので注意しましょう。

IT導入補助金の場合は、補助金の交付を受けようとする中小企業・小規模事業者の事業計画と導入するITツールをIT導入支援事業者がとりまとめて、IT事業者ポータルおよび申請マイページを通じて、中小企業・小規模事業者が事務局へ電子申請を行います。
その内容を審査委員会が審査して、補助の採択または不採択が決定される仕組みです。